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エネルギー不安の時代
―― 移行期におけるリスクにいかに備えるか

ジェイソン・ボルドフ コロンビア大学 クライメートスクール 学院長
メーガン・L・オサリバン ハーバード大学ケネディスクール 教授(国際関係)

The Age of Energy Insecurity: How the Fight for Resources Is Upending Geopolitics

Jason Bordoff コロンビア大学気候変動研究大学院(クライメートスクール)の初代共同学院長で、同大学国際公共政策大学院・グローバル・エネルギー政策センターの初代所長。オバマ政権のエネルギー・気候変動担当大統領特別補佐官、国家安全保障会議シニアディレクターを務めた。
Meghan L. O'Sullivan ハーバード大学ケネディスクール教授(国際関係論)で、ベルファー科学・国際問題センター所長。Windfall: How the New Energy Abundance Upends Global Politics and Strengthens America's Powerの著者。ジョージ・W・ブッシュ政権の大統領特別補佐官、国家安全保障問題担当大統領副補佐官(イラク・アフガニスタン)を務めた。

2023年5月号掲載論文

「エネルギー安全保障に対する過度な懸念が、気候変動との闘いを妨げるかもしれない」。専門家がこう考えていたのはそう昔の話ではない。だが、いまやその逆が真実だ。ネット・ゼロへの移行が進むにつれて、エネルギー安全保障への配慮が不十分であることが、気候変動対策により大きな脅威を突きつけることになるかもしれない。移行期におけるリスクを抑えながら、クリーンエネルギーへのシフトを試みるには、一方で、石油の戦略備蓄の強化、重要鉱物の戦略備蓄、供給混乱への保険策としての火力発電所の温存なども必要になるだろう。政策立案者はいまや、エネルギーと気候の安全保障を適切なバランスで考え、ともに成立させる必要があることを理解しなければならない。

  • 打ち砕かれた幻想
  • この18カ月で何が起きたか
  • エネルギー安全保障の不安定化
  • 多様化のジレンマ
  • 移行期のリスクに備えよ
  • 保険策としての市場との統合
  • 透明性の確保を
  • エネルギー安全保障と気候

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